豊島区のレコーディングスタジオ「マザーハウスレコーディングスタジオ」

レコーディングスタジオ

エンジニア

エンジニア紹介


中川 直彦(NAOHIKO NAKAGAWA)
鹿児島県出身/血液型 B型

経歴

1986年 ー 1991年 フリーダム スタジオ
1991年 ー 2009年 アバコ クリエイティブスタジオ
2009年 ー 現在 主にマザーハウス レコーディングスタジオを拠点に活動中。

これまでの主な仕事(順不同)

「SOUND DESIGNER」誌

2010年8月号の連載記事

エンジニアが明かす作品作りの秘密


PICKUP

まずレコーディングエンジニアになられたきっかけは何ですか?またそのきっかけとなる作品とかあれば教えてください。
中川:この世界に入るまでに受けた音楽体験全てだと思います。別にエンジニアでなくてもよかった感じで、何か音楽を作り上げて 行くことに携われることができたらいいなあ、と漠然と思っていたところ、22歳の春、目の前にあったチャンスがエンジニアになれることでした。

音楽体験についていうと、父親がJAZZとカントリーが好きで、幼少のころから休日の日にはかなりうるさいといった感じで家中流れていました。

中学生ぐらいまではクラッシックにはまり(ホールに響くストリングスの音は今でも弦を録る時の基準になっています。)その後ロックにもはまりますがこの時期の最大のショックは日野皓正のLIVEでレニーホワイトとチャックレイニ-のリズムセクションを見たことです。当時の鹿児島にはコンサートなどなかなか無い時代でしたが、日野皓正のLIVEメンバーとして来日していたのです。その時の一曲目最初に出たレニーの物凄く強力な音とリズム、チャックのどこまでも柔らかくしなやかに弾むBASSは今でも頭の中にはっきりと残っています。

また大学の頃JAZZバーでバイトしていて、ジュニアマンスがソロで店でLIVEをやったのですが、握手してもらった大きな手と同様、そのあったかく心地のよいピアノの音は今も忘れられません。

4トラックのマルチカセットレコーダーが出たのもこの頃で、ローランドのリズムマシンやシンセを友達と持ち寄って自宅録音してました。ダンボールでドラムセットを作って録音したり、スネアのリバーブを作るのに風呂場で風呂桶をたたいてマイクで拾ったりしていました。

今思い返すとやはりきっかけは作品というよりもこうした体験にあると思います。

’95 JTスーパーライブ出演の為、ナラダ マイケルウォルデンと共に来日した シーラE と

レコーディングエンジニア志望の人にお薦めの作品は何かありますか?
中川:世の中に存在するすべての音がおすすめです。
その中で何をどういう風に拾い上げていくか、もしくは削除していくかが、もしかするとエンジニアの仕事の中のひとつかもしれません。
もちろん世の中にはいろんなタイプのエンジニアがいますが、私が今一番大事だと思うことは、やはりそのレコーディングの現場による実践での体験にあると思っています。色んな体験をしてみてください。

あとはもちろん作品を聴くこともお薦めです。もし聴くならいろんな体験をする事とは逆に一枚のレコードを全ての音符や音を覚えるまで聞き込むことをお薦めします、その行為の中できっと何かを見つけられると思います。

あとマイブームなのですが、今自宅にターンテーブルが4台あり、それぞれ調整を変えたり針を変えたりリード線を変えたりして楽しんでいますが、おもしろい事に日によって音が変わったりします。自分の耳の聞こえ方もあるのでしょうが、気温や湿度で楽器やマイクの音が変わるようにレコード針やレコードの状態も変わるようです。それを少しずつ調整を変えたりしていく作業は日によって変わる音を追いかける録音作業と似ています。針とレコードの当たる角度の調整などマイクの当て方と割と共通した行為だと思います。
意外と耳のトレーニングになるかもしれません。

レコーディングエンジニア志望の人にお薦めのエンジニアはいますか?
中川:お薦めと言うより私の好きなエンジニアになりますが、

ルディー ヴァン ゲルダ-に代表される旧き良き時代のJAZZレーベルのエンジニア達
一瞬にして消え去る演奏された音や空気を余すところ無く捉えて2トラックに収めているのはすごいですね。

ボブ クリアマウンテン
王道中の王道を貫いているように見えますが、そのなかで色々と面白いことをやっています。すごく大きな物語をPOPSの中に描ききる人だと思います。

アル シュミット
以前にロスのキャピトルレコードのスタジオで会えることが出来ました。ストリングスのダビングの日でしたが、合間には「お前に一番弦がよく録れる方法を教えてやる」と腕を私の肩に回して、スタジオ中のマイクのいろいろなセッティングについて説明してくれました。ほんとにナイスなおじいちゃんでしたよ!スピーカーから出てくる音は正にあのAORサウンドそのものでした。

スティーブ アルビニ
かなり独特な音を作る人ですが、この人の制作対象に対する思い入れ、特にインディーに対する考え方が大好きです。

あとはリミキサーとして、DJ SASHA
最近見たLIVEではDJプレイというより4時間延々と行われるリアルタイムインプロビゼーションリミックスといった感じで圧倒されました。元来持っているリズム感、音に対するセンス、その裏に見え隠れする凶暴な匂い。自己に陥らずそこにいる全ての人と一緒に作り上げていく姿勢。かなりハマってます。)

エンジニア プロデューサーとして スティーリー ダン、TOTO、アースウインド&ファイヤー、ジョージ ベンソン、ジャクソン ブラウン、アル ジャロウ、バーブラ ストライザンド等の作品で十数回以上もグラミー賞を受賞している巨匠 アル シュミット と(LA キャピトルレコードスタジオの前にて)

今迄で印象に残っているレコーディングがあれば教えて下さい。
中川:つい最近数十年前に知り合い(レコーディングエンジニアとしての初仕事でした。)レコーディングしたメンバーと再びスタジオで作業する機会がありました。
プレイバックを聞きながらその当時から変わらない、相変わらずといった面や大きく変わったところなどを見つけてはみんなで大笑いでした。やはり経験というものは大事ですね。そういう意味で今までのすべてのレコーディングが体のどこかに残っています。
今行われているレコーディング、これからめぐり合うセッション全てが宝物です。
始めてコンデンサーマイクを使うアマチュアの方にコンデンサーマイクの使い方で気を付ける事やコツとかあればお願いします。
中川:コンデンサーマイクやダイナミックマイクに関係なくマイクを自分の耳だと思ってください。自分の耳で聞いて良い音だと思うところにマイクを立てるのが最大のコツです。コンデンサーマイクは感度が良いのでくれぐれも取り扱いには気をつけてください。

後は全て経験です。自分の持っているマイクの性格を自分の彼女彼氏カミサン子供の性格よりも熟知しましょう。

ドラム録りを行なう場合のコツなどあればお願いします。
中川:これも上と同じです。それぞれのパーツを叩いてもらい、マイクを立てられる範囲でここがいい音だと思うところにマイクを立てます。ただし*位相には気をつけてください。位相がずれていても悪くは無いですが、思った感じにならないときにはチェックしてみてください。

でも本当に一番大事なのはドラムのチューニングとキットバランス、そしてプレイとその時のプレーヤーの気持ちだと思います。

アマチュアのバンドの方等が自分達で宅録するのとプロのエンジニアが行なうのとでは何か違いがあると思いますか?
中川:おそらくあると思います。なぜなら宅録の場合、自分の創りたい方向へまっしぐらに進むことが多いと思います。しかしそこにエンジニアが入った場合、その時からそれは共同作業になります。エンジニアの考えも入っていきます。ソロでやるのかバンドでやるのかで出来上がる音楽が違っていくことと同じようなことが起きると思います。
それでは最後にこれからマザーハウスでレコーディングを考えている方へのアドバイスをお願いします。
中川:とにかくリラックスしてレコーディングができるように準備してきてください。焦っていて良いものが出来た事はほとんど無いですから。リラックスした中で作品を聞いてくれるであろう人たちに対して、いいプレイができ、音が出せれば素晴らしいレコーディングになるでしょう。

もし機会があれば私にもお手伝いさせてください。一緒に楽しみましょう!!